Photoshop2021 以降で搭載された、ニューラルフィルターについて紹介します。
ニューラルフィルターというのは Adobe の AI 技術を使ったフィルターで、今までは複雑な工程が必要だった作業を Photoshop が AI を使って自動的に行うものです。
ニューラルフィルターの処理は Adobe のサーバーを介して行うので、通常のフィルターよりも比較的時間がかかります。
Photoshop のニューラルフィルターの使い方
「フィルター」メニュから「ニューラルフィルター…」を選びます。
ニューラルフィルターの初期画面は下のようになります。
ニューラルフィルターを使うのが初めての場合は「ニューラルフィルターへようこそ」の画面をざっと読んでおくと概要を知ることができます。ツアーをスキップしても問題はありません。
「すべてのフィルター」と「待機リスト」があるのですが、「待機リスト」の方は将来的に使用可能予定の機能で現状では使うことはできません。
また、下のように雲のアイコンのフィルターは、そのニューラルフィルターを一度ダウンロードしないと使えないようになっています。
雲アイコンまたはダウンロードボタンをクリックしてダウンロードします。
ニューラルフィルターの「肌をスムーズに」
ON / OFFスイッチをONにして、「肌をスムーズに」を人物の画像に適用してみます。
数値はわかりやすいようにMAXにしてみました。ニューラルフィルターはクラウド上(アドビのサーバー)で処理されるため、待ち時間が少しあります。
正直仕上がりは好感触です。
ディテールを保ったまま凹凸感だけ滑らかにしてくれます。
そばかすはやや薄くなっていますが、数値の調整でコントロールできます。逆にこれ以上薄くしようと思ってもできませんでした。
ニューラルフィルターの「スマートポートレイト」
今度は「肌をスムーズに」はOFFにして「スマートポートレイト」を使ってみます。こちら人の表情を変えられる機能で見た目のおもしろさがあると思います。
笑顔のチェックボックスをクリックして数値を+25にしてみました。
口が開いてにやっとした感じに。表情は自然ですね。ただ、えらの部分などの色が少し鮮やかになってしまっています。
口もとの拡大です。足された歯などの画質の粗さがあるので、レタッチの仕事には使いづらそうです。カンプレベルなら全然ありです。歯と歯茎の形は少しいびつですね。
次に笑顔のチェックボックスはOFFにして、年齢を+30にしてみました。
下が結果です。やや不自然でした。ほうれい線のしわがとってつけた感があります。
髪は下の方は処理してくれるのですが、頭頂部が元のままになっています。変化するところと変化しないところに極端な差があります。耳についていた羽のアクセサリーはつぶれてしまいました。
ニューラルフィルターの「カラー化」
次に「カラー化」を試してみます。
こちらまた別の白黒画像で試してみました。色の傾向をスライダーで調整します。
下のプロファイルのところで色々な設定を選べます。
左が元画像、右が適用結果です。人の部分はかなりいい感じに着色されました。
手動で白黒写真をカラーにする仕事をしたことがあるのですが、本物っぽくするのは結構大変で、一括で肌の色を合わせればいいということではなく、頬の赤らみとか目元のくすみとかをそれぞれ入れていかないと本物っぽくはなりません。
そういう意味でこの着色はかなり時間短縮できる機能だと思います。ただ帽子はなぜか上の方だけ白黒のままでした。
まとめ
以上ざっとニューラルフィルターの操作とさわってみた感想でした。
今回紹介した中では「肌をスムーズに」以外はベータ(動作テスト)扱いなので、今後処理の精度が上がってくると思います。今後に期待です。
ニューラルフィルターの「スーパーズーム(旧スーパー解像度)」についてはこちらの記事にも書いています。
ニューラルフィルターを使ったノイズ除去についてはこちら。
Photoshopの基本的な使い方はこちらにまとめています。初心者の方にもわかりやすいようにまとめていますのでぜひご覧ください。
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