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Photoshopで逆光で暗く写ってしまった人物の明るさを補正する

PhotoshopのCamera Rawフィルターを使った逆光補正 Photoshopテクニック

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この記事を書いた人

Photoshopと画像・動画アプリケーション情報を発信しています。
美術大学時代に絵画を専攻。独学でPhotoshopを学び、レタッチカンパニー数社を経て現在は東京でCG・動画アーティストをしています。
Adobe Japan Prerelease Adviser。
Mdn「デザインのネタ帳 プロ並みに使える写真加工 Photoshop」共著。

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Photoshopで逆光で写ってしまった人物の補正

逆光で撮影したので、写っている人の顔が真っ黒になってしまった”ということがよくあると思います。

この記事でPhotoshopを使った逆光写真の補正方法を紹介します。

携帯電話のアプリでも簡易的な露出補正機能はついているのですが、Photoshopを使えば携帯電話のアプリなどよりもさらに高度な補正ができます。

それではやっていきましょう。

PhotoshopのCamera Raw フィルターで明るさの調整

まずは、暗部が暗くなってしまった画像をPhotoshopで開きます。

今回はUnsplashのこちらの画像を使わせていただきます。解像度はOriginal Sizeでやっていきます。

Photoshopで逆光補正する元画像

つぎにレイヤーパネルでCtrl(Command)を押しながらJキーで、元画像のレイヤーを複製します。

複製した方の、上のレイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」しておきます。

Photoshopでレイヤーをスマートオブジェクトに変換

スマートオブジェクトに変換することで、これからかけるフィルターの設定を確定した後でも編集することができます。

フィルター」メニューから「Camera Raw フィルター…」を選びます。

PhotoshopのCamera Raw フィルター

開いたCamera Raw フィルターの画面で「基本補正」の左にあるをクリックして、

PhotoshopのCamera Raw フィルターの基本補正

シャドウの数値を上げます。ここでは「シャドウ」を+100にしました。

PhotoshopのCamera Raw フィルターの露光量とシャドウ

明るさが足りない場合は「露光量」も上げて調整します。ここでは上げていません。

下の画像がここまでの状態です。暗部は大分持ち上がりました。

Photoshopの逆光補正前後

Camera Rawのウインドウは開いたままにしておいてください。

Camera Rawフィルターのウインドウを閉じてしまった場合でも、レイヤーのスマートフィルターをダブルクリックしてCamera Rawフィルターのウインドウに戻ることができます。

PhotoshopのCamera Raw フィルターで暗部ノイズの修正

暗部はこれだけでかなり明るくなりました。ただ、jpeg画像のもともと暗い部分を無理やり明るくしたため、ブロックノイズ(四角っぽいガタガタ)がひどいです。

PhotoshopのCamera Raw フィルターでシャドウを明るく

上の画像はわかりやすいように、露光量を一時的に「+2.0」に上げて明るく表示しています。

PhotoshopのCamera Raw フィルターの画像のあれ具合
露光量 0
PhotoshopのCamera Raw フィルターの画像のあれ具合明るい版
露光量 +2.0

このようにjpeg画像の明るさを大幅に調整した場合、ノイズが強調されてしまうことが多いです。

それでは続けてCamera Rawフィルターでブロックノイズを補正していきます。

ディテールの左の>をクリックして、

PhotoshopのCamera Raw フィルターのディテール

「ノイズ軽減」と「カラーノイズの軽減」を調整します。この場合はどちらも「40」に設定しました。

PhotoshopのCamera Raw フィルターのノイズ軽減

露光量を仮に上げて、仮に明るく表示している場合はブロックノイズが目立ちますが、実際に画像を使う場合はもっと暗くなるためある程度で大丈夫です。

またこの後の工程でさらにノイズを抑えていくため、ノイズの取りすぎに注意です。

「ノイズ軽減」と「カラーノイズの軽減」の数値を上げすぎると、細部の明暗まで消えてしまうため、必要以上にディテールが消えてしまうことになります。

左がノイズ軽減前、右がノイズ軽減後の画像です。((わかりやすいように明るめに表示しています。)

PhotoshopのCamera Rawフィルターで暗部ノイズを軽減した例

これで暗部を中心としたブロックノイズがやわらげられます。

露光量を仮に上げていた場合は0に戻して「OK」をクリックしてCamera Raw フィルターを確定させます。

PhotoshopのCamera Raw フィルターを確定

撮影のRawデータが残っている場合は

余談ですが、もし撮影したRawデータが残っている場合には、現像時にシャドウ域の階調をよみがえらせておく方が、よりきれいな画質を維持できます。

現像時にCamera Rawで先ほどのCamera Raw フィルターと同じく、シャドウ調整とノイズ除去を行うことで、同じ補正をよりきれいに行うことができます。

PhotoshopのCamera Raw フィルターのノイズ軽減

「Rawデータ」についてよくわからない方はファイル形式の記事を見てください。

Photoshopのニューラルフィルターで更にjpegのノイズを軽減する

大分ノイズ感はおさまったのですが、まだ少し画質が荒れているので、もう一段階ノイズ除去を施します。

Camera Rawフィルターをかけた同じレイヤーを選んでいる状態で、「フィルター」メニューから「ニューラルフィルター」を選びます。

Photoshopのニューラルフィルター

ニューラルフィルターの画面で「JPEGのノイズを削除」をONに、強さは「」にして「OK」をクリックで確定します。

PhotoshopのニューラルフィルターJPEGのノイズを削除

適用例は下のような感じ(わかりやすいように明るめに表示しています)。がさがさした感じがなくなっています。

PhotoshopのニューラルフィルターJPEGのノイズを削除の適用例

ここまででこのような感じです。左が元画像、右が現状です。

Photoshopの逆光補正前後

最後にPhotoshopのトーンカーブで補正

ここまでで大分明るくなったのですが、最後微調整で少しだけ明るくして整えます。

レイヤーパネルの新規調整レイヤーでトーンカーブを作ります。

Photoshopの新規調整レイヤートーンカーブ

カーブはこのくらいにしました。コントロールポイントを3点打っているのは3点のうち真ん中の点を打たないとノイジーなところが目立っていたためです。

Photoshopのトーンカーブ例

トーンカーブにはレイヤーマスクを追加しました。このように人の形をしながらライティング的に変に見えないように、画像を見ながら調整しています。

Photoshopのトーンカーブのレイヤーマスク

こちらで完成です。一番最初と比べると大分明るくなりました。

Photoshopで逆光補正の仕上がり例

まとめ

このような方法でシャドウ部の階調を引き出しつつ、画質を補うことができます。

当然ですが、”カメラのセンサーが撮影時に読み取れている階調”までしか引き出すことはできないので、カメラの限界を見極めつつ、レタッチを感じさせないレタッチが必要になります。

あくまで一般論ですが、カメラの値段が上がるほどいいセンサーがついているもので、センサーがいいほど階調の豊富な画像が撮影できます。

あと、ごまかしにはなりますが最後に全体に少しノイズを入れることで、ブロックノイズ感を和らげるなどの小技使うのもよいかと思います。

元に戻したい箇所がある場合はスマートオブジェクトにした方のレイヤーにレイヤーマスクをかけて、一部下の元画像のレイヤーを露出させます。

Photoshopのその他のテクニックについてはこちらにまとめています。ぜひご覧ください。

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