Photoshopの「生成塗りつぶし」は、AdobeのAI機能を活用した新機能で、画像の一部を自然に生成・補完できる便利なツールです。
生成塗りつぶしを使えば、背景を伸ばしたり、不要なものを消したり、プロンプトを入力して新しい要素を追加することができます。
「生成塗りつぶしはバージョンを重ねるごとに機能が追加され、把握するのが難しくなってきています。
この記事では、初心者にもわかりやすくPhotoshopの生成 塗りつぶしの使い方やプロンプトのコツ、商用利用の注意点などについて解説します。
Photoshopの生成塗りつぶしとは?
Photoshop生成塗りつぶしとは、Adobeが開発したFireflyというAI技術を使った画像編集機能です。
- 不自然な背景を自然に修正したい
- 画像の余白を足して構図を整えたい
- オブジェクトを削除して景観を整えたい
- 画像に新しい要素を追加したい
といった高度な編集が簡単に可能になります。

Adobeの画像生成機能は、Photoshopバージョン25.x(Photoshop2024)以降の正式リリース版に「生成塗りつぶし (Generative Fill)」という名前で統合されています。
生成塗りつぶしは現在、製品版のPhotoshopデスクトップ版・iPad版・Web版などで利用できます。
Adobe Creative Cloudコンプリートプランやフォトプラン、Photoshop単体プランなど、Photoshopをサブスクリプション契約しているユーザーは、生成塗りつぶしを使用することができます。
Photoshopの生成塗りつぶしの使い方
Photoshopの生成塗りつぶしの使い方は以下のとおりです。
Photoshopの最新バージョンをダウンロードしてインストール

Photoshopの画像生成AIを使用するためには、まずAdobe Photoshopをインストールし、最新のバージョンにアップデートする必要があります。
Adobe Creative Cloudのサブスクリプションが必要となるため、登録を済ませておきましょう。
登録前に試してみたい方は無料体験版でも使用が可能です。
Adobe Creative Cloudアプリケーションを起動して、Photoshopをインストール・最新版にアップデートしておきます。
Photoshopで画像を開き、編集したい範囲を選択ツールで囲む

塗りつぶしたい部分を選択ツールで囲みます。下の画像の場合は「なげなわツール」を使用して囲んでいます。

コンテキストタスクバーまたは編集メニューから「生成塗りつぶし…」を選ぶ
- コンテキストタスクバーで「生成塗りつぶし…」をクリックします。
- 「編集」メニューから→「生成塗りつぶし…」を選びます。


プロンプト欄を入力して生成を実行

下で説明するプロンプトの書き方を参考に、希望する内容を入力します。プロンプト欄は空白でも構いません。
特に画像中のオブジェクトを消す場合は、プロンプトを空白のままで使います。
結果を確認
プロパティパネルに候補のバリエーションが3つ表示されるので、好みのものを選びます。

AIが生成した画像を確認し、必要に応じて生成した部分の画質を向上させます。

画質の向上は思いどおりにきれいにいかないときもあります。一応試すぐらいの気持ちでとどめておくといいかもしれません。
生成塗りつぶしの商用利用について
生成塗りつぶし機能の元となっている「Adobe Firefly」は、使用許諾が得られた画像素材だけを学習しています。そのため製品版のPhotoshopを使った生成塗りつぶしは、商用利用が可能です。
Q. 生成塗りつぶしは商用利用しても安全ですか?
A. はい。Firefly生成AIモデルのトレーニングには、Adobe Stockなどの使用許諾を受けたコンテンツと著作権の切れた一般コンテンツが使用されているため、安心して制作に取り組むことができます。
Adobe公式サイトより https://www.adobe.com/jp/products/photoshop/generative-fill.html
このように公式に商用利用が可能とされていますが、以下のポイントに留意してください。
- 人工知能・機械学習のトレーニングに使用することは禁止
- Photoshop「ベータ版」の生成塗りつぶしは商用利用を禁止
- 他者の権利を侵害するコンテンツ、を作成することは禁止
詳細に関してはAdobeの利用規約に沿った使用が必要です。商用として使用する前には必ず公式の規約を確認しましょう。
生成塗りつぶしを使いこなすポイント
Photoshop生成塗りつぶしをより効果的に使うためのポイントをまとめました。これらを心がければ、満足のいく仕上がりが得られるでしょう。
【使いこなしポイント1】範囲選択は少し大きめに指定する
最初に選択範囲を指定するときに、生成したい範囲より少し大きめを指定するほうがよいです。
また、オーバーサイズの服などを生成するときは、生成が予想される範囲より少し大きめに指定しておくと、よい結果が得られます。

物体の影も含めて選択しておくと、影も含めて調整してくれます。
【使いこなしポイント2】必要に応じて生成を繰り返して理想の画像を目指す

一度の生成で満足のいく結果が得られることは、多くはありません。
プロパティパネルで「生成」ボタンをクリックすることで、繰り返し生成を行うことができます。
一度に生成できるのは3点なので追加で3点、さらに3点と、気に入る画像が出るまで生成を繰り返しましょう。
【使いこなしポイント3】生成塗りつぶしのプロンプトのコツ
生成塗りつぶし機能を使う際には、プロンプトの書き方が鍵となります。
テキストプロンプトは日本語を含む100以上の言語に対応しています。
どのような画像が作りたいか、具体的かつ明確な指示を与えることで、希望する画像に近づけることができます。
以下のポイントに注意してプロンプトを作成しましょう。
- シチュエーション:どのような場所で
- 対象物:どのような人・物が
- 対象物の状態:どういう状況なのか
- 写実的なのか、イラストなのか
たとえば、「夕焼けの海岸でリラックスする猫のイラスト」といったプロンプトは、具体性があり、イメージを明確に伝えるのに役立ちます。
現時点で苦手とされるのは、コンビニなど、日本やアジア特有のシーンやオブジェクトの生成です。
背景を伸ばす「生成拡張」の使い方
生成拡張とは?

生成拡張は、画像範囲をAIを使って伸ばす機能です。
生成塗りつぶしでも同じようなことはできるのですが、切り抜きツールを使用することで一手間少なくなり便利です。
生成拡張はどこから使える?

生成拡張はメニューパネルにはありません。「切り抜きツール」を使用中に、コンテキストタスクバーに表示されます。
生成拡張の使い方
生成拡張の使い方は次のとおりです。
- 画像を開く: Photoshopで対象の画像を開きます。
- 切り抜きツールを選ぶ
- 拡張したい部分まで範囲を指定: 画像の周辺部分までボックスを広げ、コンテキストタスクバーから生成拡張を適用します。
- プロンプトを入力: 追加したい内容を記入します。(空白でも問題ありません。)
- 確認と調整: AIが生成した拡張部分を確認し、全体のバランスを見て必要な調整を行います。
【Photoshopの新機能】生成ワークスペースとは?

生成ワークスペースは、Photoshopの画像生成AIをより効果的にするためのインターフェイスです。
2025年4月現在では、生成ワークスペースはまだ開発中の機能で、Photoshopベータ版にのみ搭載されています。
生成ワークスペースでは生成履歴が残るので、以下の利点があります。
- 過去に生成した画像を一覧で見れるようになる
- 過去に生成した画像やプロンプトを再利用しやすくなる
これらの機能を活用することで、Photoshopでの画像生成がより効率的になり、クリエイティブな表現が広がります。
まとめ
Photoshop生成塗りつぶし機能を使えば、画像編集の幅が大きく広がります。この機会にぜひPhotoshopで生成機能を試して、画像編集の新しい可能性を感じてみてください。
Photoshopの基本的な使い方はこちらにまとめています。初心者の方にもわかりやすいようにまとめていますのでぜひご覧ください。
生成した画像をきれいに拡大したいときはTopaz Gigapixelも役立ちます!
コメント