Topaz Gigapixel AIとは?
「Topaz Gigapixel AI(トパーズ ギガピクセル AI)」は、アメリカ企業のTopaz Labsがリリースしている、AIで画像を拡大するアプリケーションです。
2024年4月11日Topaz LabsはTopaz Gigapixel AIの最新バージョン、「Topaz Gigapixel AI 7」をリリースしました。
この記事ではTopaz Gigapixel AIバージョン7の主要機能と新しくどのような機能が搭載されたのか?について解説します。
Topaz Gigapixel AIの主要機能
Topaz Gigapixel AIの主要な機能は以下です。
- 画像を最大6倍まで高精細に拡大する
- 画像のデノイズ・圧縮ムラの除去
- 画像のシャープ化
基本的に拡大に特化したアプリケーションです。AIを使用している分、他の画像アプリケーションで拡大するよりも細部を作りこみながら拡大できるところが特徴です。
Topaz Gigapixel AI 7の価格
Gigapixel AIはTopaz Labsの公式サイトから通常価格$99.99(約15,600円 2024/06現在)で購入可能です。
- 一年間は最新のバージョンにアップグレードすることができます。
- 購入したライセンスは購入後一年を過ぎても永続的に使い続けることができますがアップグレードはできなくなります。
Topaz Gigapixel AI 7の必要スペック
Topaz Gigapixel AI 7の必要スペックは以下を参照してください。
要件 | Windows | Mac |
OS | Windows 10 または 11 (最新バージョン推奨) | Big Sur 11.0 以上 |
CPU | 2013年以降に発売されたAVX命令セット対応のIntelまたはAMD | Intel (AVX命令対応) または Apple M1/M2/M3 |
RAM | 16GB (500MP以上の大規模アップスケールの場合は24GB以上推奨) | Intel: 16GB、Apple: 8GB |
グラフィックカード | NVIDIA GTX 900以上 (4GB VRAM)、AMD Radeon 400以上 (4GB VRAM)、Intel UHD 600以上 (16GBシステムRAM) | 任意 (Intel)、Apple Mシリーズ (Apple) |
ビデオRAM | 4GB (Windows) | 2GB (Mac, Intel) |
新しく搭載されたRecoveryモデル
Topaz Gigapixel AI 7.1以降で新しくRecoveryモデルが搭載されました。
Recoveryモデルには一般に「拡散(ディフュージョン)モデル」と呼ばれる、近年話題のStable DiffusionやMidjourneyなどと同じ最新の画像生成AI技術が使われています。
Recovery は拡散ベースの生成 AI アップスケーリング モデルであり、他のアップスケーリング モデルとは異なる結果を生成します。このモデルは、低解像度や大きなぼやけがある画像など、低品質のソース画像をアップスケーリングする場合に非常に優れたパフォーマンスを発揮します。
Topaz公式サイトより
Recoveryモデルは、顔、建物/構造物などで特に優れたパフォーマンスを発揮するようです。
Detailスライダーを使用することで画質を強化するレベルを制御できます。ほとんどの場合、50 ~ 75 の範囲に設定することで適切に機能するとのことです。
注意したいところはRecoveryモデルは高品質な反面、他のモデルに比べて時間がかかるモデルということです。手元でテストしたところ512×512pixelの画像を2倍に拡大するのに3分かかりました。
※公式発表ではバージョン7.2で20倍高速化したとのことです。
実際に試してみたところ、512×512pixelの画像を2倍に拡大するのに3分かかっていたのが、1分と15秒程度に短縮されていました。20倍とはいきませんでしたが。
4分割比較ビューの復活
Topaz Gigapixel AI 7では4分割ビューが復活しました。
これにより、ふたたび異なる拡大モデルを同一画面で比較できるようになりました。
ただし残念ながら、Recoveryモデルは比較ビューに対応していません。
Topaz Gigapixel AI 7の使い方
Topaz Gigapixel AI 7の使い方は以下です。
画面右にある設定項目を上から順に選んでいくだけで、設定が完了するようになっています。
- 画像をTopaz Gigapixel AIのウィンドウにドラッグ
- Resize modeから拡大する倍率を選ぶ
- AI modelから適したAIモデルを選ぶ
- Settingsでシャープネス・デノイズを調整する
- Export imageで書き出し形式・書き出し場所の選択
各AIモデルの解説
以下はTopaz Gigapixel AI 7で使用できるAIモデルです。AIモデルを選択することによって拡大後の見ためが変化するので、少しでもきれいな見ためにしたいときに変更します。
Standard | 標準的な拡大パターン |
High fidelity | 元の画像になるべく忠実に拡大 |
Low Res v2 BETA | 低解像度画像を拡大するときに使う |
Text & Shapes | 文字や図形などの輪郭をきれいに拡大したいときに使用 |
Art & CG | 写真以外の絵・イラストやCGに適用する |
Lines | 建物やイラストなどの線が多い画像に使用する |
Low Res v1 | 低解像度画像を拡大するときに使う(旧方式) |
Recovery BETA | 生成AIを用いた拡大(時間がかかる) |
無料トライアル版ダウンロード
Topaz Gigapixel AI 7の無料トライアル版は公式サイトのダウンロードページからダウンロードすることができます。
Windows版とMac版が用意されています。
トライアル版はTopaz Gigapixel AI 7を自分のPCで使用可能なのか、どのくらいの速度で使用できるのかを試すことができます。画像の保存はできないので、実際に画像の拡大に使用したい場合は購入が必要です。
Topaz Gigapixel AI 7の購入方法
Gigapixel AIはTopaz Labsの公式サイトから通常価格$99.99(約15,600円 2024/06現在)で購入可能です。
英語サイトのため迷われる場合はこちら下の説明を参考にしてください。日本からでも問題なく購入することができます。
日本で発行されたVISAやMastercardなどのクレジットカードでも問題なく購入できます。
Topaz Gigapixel AI 7のセール情報
Topaz公式サイトでは不定期にセールが開催されることがあります。ブラックフライデーセールの対象になることもありますが、製品によってはセール対象にならないこともあります。
起動できないときの解決方法
筆者は日常でWindowsを使用しているのですが、Gigapixel AI v6からv7にアップデートしたあと、Gigapixel AI 7のアイコンをダブルクリックしても起動しない症状が発生していました。
Topazのフォーラムで紹介されていた方法を試すことで解決しましたので、ご紹介します。
- Gigapixel AIの以前のバージョンをアンインストール
- Windowsのコントロールパネル「プログラムのと機能」から、「Topaz Gigapixel AI」をアンインストールします。
- C:\Program Files\Topaz Labs LLC に移動し、Gigapixel AI フォルダがある場合は削除します。
- C:\ProgramData\Topaz Labs LLC に移動し、Gigapixel AI フォルダがある場合は削除します。
- タスクバーの検索メニューから「reg」と入力し レジストリエディターを開き、Gigapixel AIのレジストリを削除
- Computer\HKEY_CURRENT_USER\Software\Topaz Labs LLC\Topaz Gigapixel AI
- Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Topaz Labs LLC\Topaz Gigapixel AI
レジストリを削除する手順については、このビデオをご覧ください。(英語)
- Gigapixel AIの再インストール
- Topaz Labsのダウンロードページからソフトウェアをダウンロードしてください。
- コンピュータを再起動し、他のアプリケーションを実行せずにプログラムをインストールします。
- プログラムを開いて、正常に動作するか確認してください。
Topaz Gigapixel AI 7 vs Topaz Photo AI 3
Topaz Labsは以前、「Gigapixel AI / Denoise AI / Sharpen AIの機能はPhoto AIに統合されていく」とフォーラムに書いていました。
しかし現在、Topazの公式サイトではVideo AI / Photo AI / Gigapixel AIの3つのアプリケーションが紹介されており、この3つのアプリケーションを軸に開発を進めていくのではないかと思われます。
Gigapixel AI 7では、生成AIのディフュージョン技術を使った新しい拡大方式「Recoveryモデル」が新しく搭載されました。
これはPhoto AIにはない革新的な画像拡大技術です。この技術はPhoto AIにはいまだに搭載されていないことから、Photo AIとの画像拡大機能との差別化が図られていくのではないかと思います。
単純に画像拡大技術だけで判断するとGigapixel AIの方が一歩先に進んだことになります。
画像アプリケーションについての情報はこちらのページにまとめています。
ぜひご覧ください。
筆者の場合は上記の方法の「1.」と「3.」で解決しました。