- Topaz Video AIとは
- Topaz Video AI の機能
- Topaz Video AIの使い方とおすすめ設定
- Topaz Video AI のレビュー
- Topaz Video AIの価格
- Topaz Video AIのセール・クーポン情報
- Topaz Video AIの無料体験版【製品版と体験版の違い】
- Topaz Video AI に必要なPCのスペック
- Topaz Video AI が対応するファイル形式
- 旧 Topaz Video Enhance AI との違い
- Topaz Video AI を高速化するCPU・GPU切り替え設定
- Topaz Video AIがv3.1にアップデート
- Topaz Video AIについてのよくある質問
- まとめ
Topaz Video AIとは

Topaz Video AIとは、アメリカの Topaz Labs がリリースしているAI技術で動画を高画質化するPC用アプリケーションです。
動画高画質化アプリケーションの定番であった「Topaz Video Ehnance AI」の後継アプリケーションとして、2022年10月20日新しく「Topaz Video AI v3.0」がリリースされました。
※現バージョンはv3.1
この記事ではTopaz Video AIの機能と使い方、また筆者が実際に購入して使用したレビューを紹介していきます。
Topaz公式サイトでは不定期にセールが開催されています。
現在は以下の製品がセール中です。
セール期間中はカートに入れた時点で値引き価格が適用されます。
Topaz Video AIが $299(約39,000円)→ $249(約32,000円) ※3/31まで
Topaz Image Quality Bundleが $259.97(約33,800円) → $199.99(約26,000円)
Topaz Video AI の機能
映像を拡大して強化
ノイズやムラを抑えながら8K解像度の動画に拡大することで、古い映像を最高スペックの映像に引き上げます。高度にトレーニングされた AI モデルによって、すべてのフレームを高精細化します。

高感度ノイズを除去してクリアな出力
ビデオの細部を強化しながら、ノイズを除去します。フレームごとのノイズ除去によって発生するちらつきや、その他のムラを最小限に抑えます。

手ぶれした映像を安定させる
手持ちで撮影した映像の手ぶれを、従来の手法のように極端なゆがみやトリミングをすることなく、簡単に補正することができます。

なめらかなスローモーションビデオを作成
通常の撮影映像からなめらかなスローモーション動画を作成します。 Topaz Video AIは、カクつきやもたつきのないスローモーション動画を生成します。

デジタル世界向けのビデオのインターレース解除
ディープラーニング AI を使用して、画像の鮮明度を維持しながらインターレース動画をプログレッシブ動画に変換します。

高品質なフレーム レート変換
カメラでキャプチャされたフレームからなめらかにブレンドできる新しいフレームを生成し、よりスムーズかつより自然にフレームを補間します。

Topaz Video AIの使い方とおすすめ設定
動画ファイルの読み込み
Video AI起動直後はこのような画面です。Topa サイトで登録したアカウントとパスワードを入力します。

アカウントを入力するとファイル選択画面になります。「Browse…」をクリックして動画ファイルを選択するか、動画ファイルを直接ウィンドウにドラッグします。

動画素材が読み込まれました。

右パネルの各種設定とAIモデル
画面右側のパネルで処理内容を設定します。以下で上から順に各項目を説明します。
PRESETS
「PRESETS」は各項目が自動的に選択されるおすすめの設定です。ここで高精細化・スローモーションなど、どのような作業をするのかを選ぶと設定が楽になります。

4x slow motion | 4倍のスローモーション |
8x super slow motion | 8倍のスローモーション |
Auto crop stabilization | 手ぶれ補正をしつつ自動で画角を調整 |
Convert to 60 fps | 60FPS動画に変換 |
Deinterlace footage and upscale to HD | インターレースを解除しつつHDサイズまで拡大 |
Upscale to 4K | 動画を4Kサイズまで拡大 |
Upscale to 4K and convert to 60fps | 動画を4Kサイズまで拡大しつつ60FPSの動画に変換 |
Upscale to HD resolution | HDサイズの動画に拡大 |
VIDEO
書き出しする動画の解像度とFPSを選択します。「Original」は元のまま、「Select Width and Height」を選んで自由に設定することもできます。

FILTERS
各機能のON/OFFが行えます。各機能は前項の「PRESETS」で項目を選ぶことでひととおり設定されるので、この「FILTERS」はさらに細かく設定を変えたいときに使用します。

Stabilization | 画角を狭めることによる手ぶれ補正 |
Frame Interpolation | フレーム補間、スローモーション化 |
Motion Deblur | パン・回転・ズームによるモーションブラーを抑える |
Enhancement | 拡大・高精細化 |
Grain | ノイズを追加 |
各項目では以下の設定ができます。
Stabilization で選択できるオプション
オプション | 周囲の処理 |
---|---|
Full-Frame | 手ぶれ補正時に元素材のピクセル数を維持して、周囲が足りないところはピクセルを補完する |
Auto-Crop | 手ぶれ補正時に周囲が足りないところがあれば、画角を狭める |
Rolling Shutter Correction | ローリングシャッター歪みを軽減する |
Reduce Jittery Motions | 視差ゆがみやタイリングモーションを補正する (処理時間が大幅に増加する可能性がある) |
Motion Deblur で選択できる AI モデル
AIモデル | 用途 |
Themis | モーションブラーを抑制してシャープネスとディテールを向上させる |
Frame Interpolationで選択できる AI モデル
AIモデル | 用途 |
---|---|
Apollo | 隣接4フレームを考慮する新しいスローモーションモデル |
Chronos Fast | 旧スローモーション効果(速い動きに対応) |
Chronos | 旧スローモーション効果 |
Enhancement (Progressive)で選択できる AI モデル
AIモデル | 用途 |
---|---|
Proteus | 手動設定での標準モデル、詳細を手動で調整 |
Artemis | 自動設定での標準モデル、ノイズ除去・シャープ化 |
Gaia | 元々大きい(HD相当)のサイズの動画をさらに拡大 |
Theia | 元動画に忠実に高精細化・ノイズ除去 |
Enhancement (Interraced)で選択できる AI モデル
AIモデル | 用途 |
---|---|
Dione DV | デジタル映像の非インターレース化 |
Dione TV | アナログ映像の非インターレース化 |
Dione TV Dehalo | アナログ映像の非インターレース化、光のにじみを軽減 |

Grain
グレイン(ノイズ)の量を指定します。
タイムラインの設定

画面中央のパネルでプレビューの再生を操作できます。
プレビュー

各種の設定が終わったら「Preview」をクリックすると「Waiting to preview」と表示されて、プレビューのレンダリングが始まります。
レンダリングが完了すると選んだ「PRESETS」の効果が適用された動画をチェックすることができます。
プレビューの表示モードを切り替える

プレビューができ上がると、画面左の3つのアイコンから表示方法を選ぶことができます。
左から 1画面表示 / ワイプ表示 / 2画面表示 です。2画面表示にすると、適用前と適用後の動画を見比べることができます。
ズームイン・ズームアウトして結果を確認

表示倍率を変更しながらプレビューの仕上がりを確認します。「Back to Input」で設定をやり直すことができます。
外部動画プレイヤーでのプレビュー・仕上がり確認

プレビューファイル横の「…」をクリックして「Open External Player」を選ぶと、外部の動画プレーヤーでプレビューの仕上がりを確認することもできます。
動画ファイルの書き出し

「OUTPUT SETTINGS」で書き出す動画形式を選択して、「Export」で本番レンダリングの書き出しが始まります。
特に指定がない場合は、初期設定のH264 High (NVIDIA)、mp4形式が汎用性も高く一般的な出力方法です。H265 はさらに圧縮率が高く高品質な形式です。
以上が Topaz Video AI の使い方です。
Topaz Video AI のレビュー
はじめに気になったのは、旧バージョンの「Video Ehnance AI」と「Video AI」の違いはどこなのかということです。
まず新しく搭載されたStabilization(手ぶれ補正機能)機能についてはかなり強力でいい感じに補正してくれます。「Full-Frame」に設定されている場合は背景が足りないところをなんとなく埋めてくれます。
数値で手ぶれ補正の度合いが調整できるので、画角をあまり狭めたくない場合は弱めに調整することも可能です。また、余分なところは別途クロップ(切り抜き)してしまうこともできます。
Frame Interpolation(フレーム補間)とEnhancement(高画質化)が同時に適用できるようになったのも大きなアップデートです。さらに利便性が高まったと思います。
また、複数のプレビューやレンダリングが同時並行でかけられるようになり、レンダリング中もほかの動画の設定ができます。そのためプレビューの計算待ちが減り、作業効率がかなり向上すると思います。

旧Video Enhance AIのスローモーション化も強力でしたが、さらにApollo AIが選択できるようになったことで機能が向上しています。意味もなく動画をスローモーション化するだけでも、おっ!となるようなできばえです。
残念なところはひとつあります。
プレビューはVideo Enhance AIでできていた”4分割”ビューができなくなり、最大でも”2分割”ビューになりました。このため、異なるAIモデル同士の比較をしたい場合は、画面切り替えが必要です。
タスクごとに表示を切り替える仕様になったため、これはこれでわかりやすい面もあります。
Topaz Video AIの価格
Topaz Video AIの価格は$299(約40,000円 2023/02現在)です。
購入は永続ライセンスですが、一年間の無償アップデートが保証されています。
旧Video Enhance AIを一年以内に購入していた場合は、Video AIに無料でアップグレードすることができます。
また、一年間のアップデートライセンスが切れている旧 Video Ehnance AIユーザーにも特別価格$149が用意されています。
Topaz Video AIには、30日間の無料体験版もあるので、動作スピードなどを実際に手元の動画で一度試してみることをおすすめします。
Topaz Video AIのセール・クーポン情報
以前は Topaz のクーポンコードがあったのですが、Topaz がクーポンコードのシステム自体をやめてしまったため現在はクーポンコードの利用ができなくなっています。
Topaz公式サイトでは不定期にセールが開催されています。
現在は以下の製品がセール中です。
セール期間中はカートに入れた時点で値引き価格が適用されます。
Topaz Video AIが $299(約39,000円)→ $249(約32,000円) ※3/31まで
Topaz Image Quality Bundleが $259.97(約33,800円) → $199.99(約26,000円)
Topazの公式サイトは英語なので、購入に戸惑われる場合は下記を参考にしてください。

日本で発行されたVISAやMastercardなどのクレジットカードでも問題なく購入できます。
支払い方法はクレジットカードか Paypal(PayPayではありません)です。日本で発行されたクレジットカードも問題なく支払いできます。
Topaz Video AIの無料体験版【製品版と体験版の違い】
Topaz Video AIには30日間の無料体験版が用意されています。
体験版は製品のフル機能を使うことができますが、動画にウォーターマーク(Topazロゴの透かし)が入ります。
Topaz 公式サイトからTry for freeをクリックしてダウンロードすることができます。
Topaz Video AI に必要なPCのスペック

Topaz Video AI に必要なPCのスペックは以下のとおりです。Windows 7・8 はサポートされていません。Mac は M1・M2 をサポートしています。
Windows | Mac | |
---|---|---|
OSとCPU | Windows10・11 2015年以降のIntel製CPU 2016年以降のAMD製CPU | CPU サポートの場合は 10.14 Mojave 以降 GPU サポートの場合は 10.15 Catalina 以降 |
メモリ容量 | 8GB(16GB以上を推奨) | 8GB(16GB以上を推奨) |
グラフィックカード | Intel HD 5000 (CPU で実行する場合) DirectX12が使用可能なGPU VRAM2GB以上(8GB以上を推奨) | MacOS10.15 Catalina以降が使用可能なGPU M1 を含むすべての GPU は Mac 10.15 以降でサポートされます |
Topaz Video AI が対応するファイル形式
Topaz Video AIで扱える動画形式は以下の形式です。
読み込みファイル形式 | .avi, .dv, .flv, .m1v, .mkv, .mov, .mp4, .mpg, .mpeg, .mxf, .ts, .vob, .webm, .wmv, .jpg, .jpeg, .png, .tif, .tiff |
書き出しファイル形式 | PreRes 422(.mov), H264(.mp4), H265(.mp4), VP9, TIFF Lossless 8bit/16bit, PNG 8bit/16bit |
旧 Topaz Video Enhance AI との違い
Topaz のサイトでは Video AIの開発背景について、以下のように説明されています。
課題の多くは、映像が等倍速の画像として扱われていたことに起因しています。
Topaz 公式サイトより翻訳
そのため、フレームレートが変化する映像や、フレームが繰り返される映像、シーンが切り替わる映像などの処理に問題がありました。
そのため、手ぶれ補正やシーン検出など、複数のパスを必要とする新しいモデルや処理の開発に支障をきたしていました。こうした懸念に対応し、新機能の追加を可能にするために、コードベースを書き換えることにしました。
新しく追加された AI モデル
Stabilization model
新しい Stabilization(手ぶれ補正)モデルが不安定なカメラの動きに起因する手ぶれや、ぎくしゃくした動きを軽減します。
フレーム間のカメラの動きを推定し、カメラの動きがより滑らかに見えるように各フレームを変換します。
Apollo slow motion model
新しいスローモーション AI モデルであるApolloモデルは不規則な動きとモーションブラーを処理するようにトレーニングされています。
隣接する4つのフレームをからフレーム間のオブジェクトの動きを推定し、動きに応じた中間フレームを生成します。
複数機能を組み合わせたレンダリング
Video AIでは、動画をスローモーション化しながら4K解像度に拡大する、など複数のAIモデルを組み合わせて動画を高画質化する設定ができるようになっています。
同時に複数のプレビューレンダリング・本番レンダリング
複数のプレビューレンダリングや本番レンダリングを同時進行でかけられるようになっています。「プレビュー2動画+本番1動画」など組み合わせも自由です。
Topaz Video AI を高速化するCPU・GPU切り替え設定
「File」メニューの「Preferences」からVideo AIでCPU使用・GPU使用を切り替えられるようになっています。

初期設定では自動的にGPUになっています。CPUかGPUで高速な方があれば切り替えることで、レンダリングの速度アップが見込めます。

このほかに Topaz Video AI v3.1でアプリケーション全体の速度向上が図られました。v3.0シリーズをお使いの場合はv3.1以上にアップデートすることで大幅な速度向上が期待できます。
Topaz Video AIがv3.1にアップデート
プレビューとエクスポートが150 ~ 400%高速化
v3.0からv3.1のアップデートでエクスポートやプレビューの動作速度が向上します。AIモデル自体が削減されたわけではないので、品質はそこなわずに速度だけ上がっているという感じです。
Topaz Video AI v3.1 は、エクスポートやプレビューを大幅に高速化することができます。
速度向上は、使用するハードウェアやビデオ、AIモデルによって異なりますが、内部テストの結果、ほとんどの構成では50~100%のパフォーマンス向上が記録されています。
これは、処理パイプラインを並列化し、ハードウェア効率を向上させることで実現しています。ただし、AIモデル自体は削減や最適化は行っておらず、モデルの品質は以前のバージョンと同じです。
Topaz公式サイトよりGoogle翻訳


v3.1で搭載されたThemis AIモデルでモーションブラーを抑制

新しく搭載された ”Themis” モデルにより、モーションブラーの生じている部分を鮮明にします。
Topaz Video AIについてのよくある質問
旧Video Enhance AIからのアップグレードは可能?
Topaz Video Enhance AIをお持ちの方は、購入後1年以内の場合無料のアップグレードが受けられます。
購入後1年以上たっている場合でも、アップグレード価格 $199 → $149 にて製品価格の割引が受けられます。Topazのユーザーページから購入価格の確認と購入手続きが行えます。
Photo AIやGigapixel AIとの違い – 静止画にも使えるのか?-
TIFF 形式や PNG 形式などの静止画連番の動画には対応していますが、一枚の静止画で試してみたところアプリケーションが反応せず使えませんでした。
静止画を拡大する用途ですと、同じTopaz LabsのPhoto AIやGigapixel AIを使った方がよさそうです。
特に効果が出やすい動画は?アニメ動画に対して効く?
私が試した範囲では、以下の動画がTopaz Video AIの効果が最も出やすいです。このあたりは前世代のアプリケーションであるTopaz Video Enhance AIと変わりないと思います。
効果が薄いと感じられる映像でも、単純に従来方式のバイキュービック法などで拡大するよりは、かなりきれいに仕上がります。
Topaz Video AIの日本語版はある?
残念ながらTopaz Video AIには日本語版はありません。
現状英語版のみがリリースされています。
まとめ
Topaz Video AIはVideo Enhance AIからさらに進化した画期的な動画高精細化アプリケーションです。スタビライザーが搭載されたことでさらに万能感が強化されました。
他に同レベルの高精細化ができるアプリケーションがないため、動画制作の仕事には必須アプリケーションの一つになったと思います。
Topaz Video AIを使うことで、プロフェッショナルなレベルの動画制作を簡単に行えるだけでなく、時間も節約できます。ビデオ制作に関するスキルを持っていない初心者でも、高品質な動画を簡単に制作できるようになると思います。
Topaz製品はTopaz labs公式サイトから購入することができます。公式サイト以外は代理店を通すため割高なことがほとんどですので、公式サイトからの購入をおすすめします。
画像アプリケーションについての情報はこちらのページにまとめています。
ぜひご覧ください。

Topaz公式サイトでは不定期にセールが開催されています。
現在は以下の製品がセール中です。
セール期間中はカートに入れた時点で値引き価格が適用されます。
Topaz Video AIが $299(約39,000円)→ $249(約32,000円) ※3/31まで
Topaz Image Quality Bundleが $259.97(約33,800円) → $199.99(約26,000円)
動画ではなく静止画の高精細化・拡大にはTopaz Photo AIが最適です。興味があればTopaz Photo AI の記事も見てみてください。
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