- Topaz Video Enhance AIとは
- Topaz Video Enhance AIで動画を高画質化
- Topaz Video Enhance AIの必要スペック
- Topaz Video Enhance AIのインターフェイス
- Topaz Video Enhance AIの簡単な使い方・おすすめ設定
- Topaz Video Enhance AIの拡大例
- Topaz Video Enhance AIのレビュー
- 特に効果が出やすい動画、アニメ動画など
- Topaz Video Enhance AIの価格
- Topaz Video Enhance AIのクーポン・セール情報
- Topaz Video Enhance AIの無料体験版
- Topaz Video Enhance AIの高速化 – レンダリング時間が長い場合 –
- Photo AIやGigapixel AIとの違い – 静止画にも使えるのか?-
- Topaz Video Enhance AIの日本語版はある?
- Topaz Video Enhance AIの後継アプリケーション
Topaz Video Enhance AIとは

Topaz Video Enhance AIとは、アメリカ企業のTopaz LabsがリリースしているAI技術で動画を高画質化する定番のPC用アプリケーションです。
後継製品である「Topaz Video AI」がリリースされたため、Topaz Video Enhance AIは購入できなくなっています。Topaz Video AIについては詳細をレポートしていますのでご覧ください。
一昔前は動画や静止画を拡大するというと、画質がぼけてしまうことが普通でしたが、近年はAIのパターン学習が進んだことで、細部のディテールを作り出しながらより自然に高画質化ができるようになってきています。
この記事ではTopaz Video Enhance AIの機能と使い方、また実際に仕事で使用した使用感を紹介していきます。
Topaz Labsは「Video Enhance AI」だけではなく、「Photo AI」や「JPEGtoRAW AI」などAIを使った高画質化アプリケーション群が特徴です。
Topaz LabsはAI技術を活用した画像・動画編集ソフトを開発しており、自動修正・スタイリング機能によって、あなたの写真や動画をプロレベルに仕上げることができます。
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Topaz Video Enhance AIで動画を高画質化
- 動画の高画質化…動画のディテールを高精細化し、HD動画を4Kや8Kなどに拡大できます。
- 動画のノイズ軽減…動画のディテールを保持したままノイズを軽減することができます。
- インターレース動画の走査線の解除…走査線の入っているギザギザしたインターレース動画をより自然に変換できます。
- 動画の高フレームレート化…動画の動きを自然な状態のまま、24FPS→60FPSなど動画のコマ数をアップさせ、滑らかな動きに変換できます。
- 動画のスローモーション化…こちらも動画の動きを自然な状態にしたまま、スローモーション化ができます。
Topaz Video Enhance AIの必要スペック
Topaz Video Enhance AIの使用要件は以下のとおりです。Windows・Mac両対応です。ライセンスを購入すればWindows用・Mac用をどちらでもダウンロードして使うことができます。
Windows | Mac | |
---|---|---|
OSとCPU | Windows10・11 2015年以降のIntel製CPU 2016年以降のAMD製CPU | MacOS10.14 Mojave以降が使用可能なCPU |
メモリ | 8GB(16GB以上を推奨) | 8GB(16GB以上を推奨) |
グラフィックカード | DirectX12が使用可能なGPU VRAM2GB以上(8GB以上を推奨) | MacOS10.15 Catalina以降が使用可能なGPU M1 Macも含む |
作業中にもAIモデルのアップデートを行うため、インターネット接続環境は必須になります。
互換性のあるファイル形式は以下です。
- 動画: .avi, .dv, .flv, .m1v, .mkv, .mov, .mp4, .mpg, .mpeg, .mxf, .ts, .vob, .webm, .wmv
- 静止画: .jpg, .jpeg, .png, .tif, .tiff
Topaz Video Enhance AIのインターフェイス
Video Ehnance AIを起動すると、動画ファイル選択の画面になります。インターフェイスは英語で日本語版は今のところありません。
動画ファイルをドラッグアンドドロップするか、画面中央のBrowse…をクリックしてメニューからファイルを指定します。
動画ファイルが指定出来たら画面右上の「Settings」から拡大方式を選びます。

- Progressive Footage to 4K…画像をきれいにしつつ4K動画に拡大します。
- Clean up Old Progressive Footage…画像のサイズはそのままで画質をきれいにします。
- Interlaced Footage to 4K…画像をきれいにしつつインターレース動画を4K動画に拡大します。
- Clean up Old Interlaced Footage…画像のサイズはそのままでインターレース動画の画質をきれいにします。
「Setting」の左にある2つのボタンですが、Zoomは表示拡大率の変更ができ、Viewは画面を分割して表示ができます。
Topaz Video Enhance AIの簡単な使い方・おすすめ設定
ここからは私のおすすめの使い方を以下で説明します。作業の流れとして参考にしてください。
4分割表示にしてAIモデルを複数選択する
まず、「View」を「Compare View」の4分割表示にします。
分割されたビューの下にあるタブをクリックすると選択されているタブが青くなります。
タブごとに変換方式(AI Model)を変えます。※4分割表示の場合、左上は必ず元動画になるので一度に比較できるのは3モデルです。
おすすめのAIモデルの設定
変換方式は「Suggested(電球のアイコン)」と「All Models(リストのアイコン)」がありますが、慣れないうちは自動で設定を提案してくれる「Suggested」をおすすめします。
各設定の内容は以下です。
- Video Quality…元ファイルの画質をLow / Medium / Highから選びます
- Video Type…元ファイルのタイプをProgressive(通常)/ Interlaced(インターレース)/ CG(3DCG)から選びます。
- Video Artifact Type…元ファイルのアーティファクト(むら)の種類を選びます。
- None(AIがディテールを保護・強化)
- Motion Jitter or CChoppy Framerate(ブレが多い)
- Burry(ぼけている)
- Noise(ノイズが多い)
- High Comression(高圧縮)
これらを設定すると、最後に「Recomended」におすすめのAIモデルが1~4種類程度表示されます。
「Recomended」に表示されたAIモデルを、4分割表示の各ビューに設定すると比較がしやすいです。
下には完成した動画の書き出し設定があります。書き出しサイズによってPreviewの結果も変わってくるので、ここも設定しておきます。
- Output Size…書き出しムービーサイズを選択します。
- Grain…ノイズを軽減してのっぺりしてしまった場合に、ノイズを乗せます。量・サイズをともに入力しないと出ないので注意してください。
- Video Format…書き出しファイル形式を選択します。MP4の場合は「Constant Rate Factor」の値が低いほど高品質になるので注意してください。
プレビューレンダリング
各ビューが設定出来たらPreviewをクリックして動画をプレビューレンダリングします。
プレビューレンダリングが始まります。タブごとにプレビューレンダリングするので少し時間がかかります。
レンダリングしているタブが順に青くなります。
プレビューを比較
少し待つとプレビューレンダリングが終わって、設定した各タブを比較できるようになります。
Zoomで拡大率を変えてみたり、画像をドラッグでスクロールして、4分割したAIのプレビューのうち、どのAIモデルがいいか結果を比べてみます。
見比べられたら右下の「Close」をクリックしてプレビュー画面を閉じます。
本番レンダリング
仕上がりの良かったモデルのタブをクリックして、Start Processingをクリックして動画をレンダリングします。
レンダリング画面です。左に元の動画、右にレンダリング中の動画が表示されます。下の画像のようにくっきりとシャープになります。
レンダリングされた完成動画は、初期設定では元動画と同じ場所に保存されます。保存場所を変えたい場合はPreferenceから変更も可能です。
Topaz Video Enhance AIの拡大例
こちらは携帯電話で撮った粗いムービーをTopaz Video Enhance AIで200%拡大してみた例です。左上が元の動画、残りはAIを変えて拡大しています。このように極端に粗い動画でも、そこそこの見た目に変換してくれます。


Topaz Video Enhance AIのレビュー
Topaz Video Ehnance AIやGigapixel AIはまだ歴史の浅いアプリケーションですが、他に同じような拡大アプリケーションで実用的なものが少ないです。
そのため映像拡大・画像拡大の世界では定番になりつつあります。私も業務で使用しています。
高い解像度が求められる3DCGや動画編集案件だと、CGや動画編集アプリケーションでのレンダリング時間が膨大になってしまいます。
Topaz Video Enhance AIのレンダリングはCGや動画編集アプリケーションでのレンダリングに比べて速い場合が多いので、このような場合に非常に有効なソリューションです。
例えば、次のような時間の短縮が可能になります。
- CGのレンダリングはHD画質に下げて、納品時にVideo Ehnance AIで4Kや8Kの動画に拡大する
- CGは24FPSでレンダリングしておいて、納品時にVideo Enhance AIで60FPSの動画に変換する
また、操作が容易なところもTopaz Video Enhance AIの売りとなっています。基本的に気をつけるところはプレビューレンダリングをかけないと結果が見えないところぐらいです。動画を読み込んだだけでは見た目が変わらないので、あれ?っとなると思います。
このページで説明しているプレビューの仕方さえ分かっていれば、操作にはすぐに慣れると思います。高解像度が必要とされる動画制作現場では、あると便利なアプリケーションです。
- 解像度の足りない動画を納品できる解像度まできれいに引き伸ばす
- 昔撮った動画を高解像度化する
- 動画の滑らかさを保ったままスローモーションにする
など、用途は多いと思います。
弱点らしい弱点は今のところ見当たりませんが、やはり拡大効果がきれいに出やすい動画と出にくい動画はあると思います。この点には注意が必要です。
特に効果が出やすい動画、アニメ動画など
私が試した範囲では、以下の動画がTopaz Video Enhance AIの効果が最も出やすいです。
効果が薄いと感じられる映像でも、単純に従来方式のバイキュービック法などで拡大するよりは、かなりきれいに仕上がる印象です。
Topaz Video Enhance AIの価格
Topaz Video Enhance AIの標準価格は199.99ドル(約28,000円 2022/10現在)です。
30日間の無料体験版もあるので、動作スピードなどを実際に手元の動画で一度試してみることをおすすめします。
後継製品である「Topaz Video AI」がリリースされたため、Topaz Video Enhance AIは購入できなくなっています。Topaz Video AIについては詳細をレポートしていますのでご覧ください。
Topaz Video Enhance AIのクーポン・セール情報
Topaz Labsの通年のクーポンコードは廃止されたため、他のサイトに掲載されているものも現在は使えなくなっています。
Topaz Labsのショップでセールが不定期に開催されるので、まめにチェックされるのがいいと思います。以下のリンクからセール情報をチェックすることができます。
Topaz Video Enhance AIの無料体験版
Topaz Video Enhance AIの無料体験版は現在公開されていません。
後継版であるTopaz Video AIの30日無料体験版があるのでそちらをお試しください。
Topaz Video Enhance AIの高速化 – レンダリング時間が長い場合 –
PCに内蔵されているCPUとGPUがどちらもそれなりのスペックでない場合は、どうしても最後のレンダリング時間が遅くなってしまいます。
CPUまたはGPUのどちらかが高速な場合は、設定をCPU/GPUの高速な方に切り替えることでレンダリングのスピードが向上します。
CPUでレンダリングするかGPUでレンダリングするかは「File」メニュー「Preference」の「Processor/Save」から「AI Processor」のところで変更することができます。
CPUかGPUの高速な方を選択します。(GPUは機種名が表示されています。)
Photo AIやGigapixel AIとの違い – 静止画にも使えるのか?-
TIFF形式やPNG形式などの静止画連番の動画には対応していますが、一枚の静止画で試してみたところエラーが出て使えませんでした。
静止画を拡大する用途だと同じTopaz LabsのPhoto AIやGigapixel AIを使った方が精度がよさそうです。
Topaz Video Enhance AIの日本語版はある?
残念ながらTopaz Video Enhance AIにも、後継版のTopaz Video AIにも日本語版はありません。現状英語版のみのリリースです。また近い将来は日本語化されることもなさそうです。
Topaz製品はTopaz labs 公式サイトから購入することができます。
公式サイト以外からは代理店を通すため割高とみていいでしょう。
Topaz Video Enhance AIの後継アプリケーション
上にも書きましたが、2022年10月20日にTopaz Video Enhance AIの後継アプリケーションとなる「Topaz Video AI」が発売されました。
今後はTopaz動画アプリケーションの開発が「Video AI」の方で行われることになります。
画像アプリケーションについての情報はこちらのページにまとめています。
ぜひご覧ください。

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