今年は例年よりも早めにPhotoshopの新バージョンPhotoshop2024(バージョン25.0)がリリースされました。
すでにAdobe Creative Cloud Desktopアプリケーションからダウンロードが可能になっています。
この記事ではPhotoshop2024(バージョン25.0)でどのような機能が追加されたのかについて解説します。
Photoshop2024(バージョン25.0)のAI機能、生成塗りつぶし・生成拡張
Photoshopの生成塗りつぶし・生成拡張が正式に商用可能に
Adobeの画像生成AIテクノロジーFireflyを利用した「生成塗りつぶし」「生成拡張」が正式に商用利用可能になりました。
すでにベータ版では搭載されていた「生成塗りつぶし」ですが、商用利用は禁止されていました。
Photoshopをサブスクリプション利用している人なら、「生成塗りつぶし」「生成拡張」を無制限に利用可能です。
ただしCreative Cloudのプランごとに生成クレジットが設定されています。次の項で具体的なクレジット数を表にまとめています。
生成クレジットを使い切った場合でも生成AIを引き続き実行できますが、生成速度が低下する場合があります。
また「生成塗りつぶし」「生成拡張」が多言語での生成に対応し、日本語でも生成できるようになっています。
生成クレジット
Adobe Creative Cloud個人版に設定されている生成クレジットは以下です。
プラン | 生成クレジット | ||
Creative Cloud コンプリートプラン | 月 1000クレジット | ||
Creative Cloud 単体プラン | Illustrator InDesign Photoshop Premiere Pro AfterEffects Audition Animate Dreamweaver Adobe Stock フォトプラン 1TB | 月 500クレジット | |
フォトプラン 20GB | 2023年11月1日より前のサブスクリプション | 月 250クレジット | |
フォトプラン 20GB | 2023年11月1日以降のサブスクリプション | 月 100クレジット | |
Lightroom | 月 100クレジット | ||
InCopy Substance 3D Collection Substance 3D Texturing Acrobat Pro | 月 25クレジット |
Creative Cloudグループ版・エンタープライズ版についてもコンプリートプランは月1000クレジット、単体プランは月500クレジットです。
プラン | 生成クレジット |
Creative Cloud コンプリートプラン | 月 1000クレジット |
Creative Cloud 単体プラン | 月 500クレジット |
先にも書きましたが、Creative Cloudサブスクリプションユーザーであれば、生成クレジットを使い切っても生成自体ができなくなるわけではありません。
Photoshop2024(バージョン25.0)の削除ツール
以前から搭載されていた削除ツールですが、動作が変更になりより使いやすくなりました。
削除ツールとはAI機能により、周囲の状況を認識して高精度に物体を除去する機能です。
以前は消したい部分をブラシで完全に塗りつくす必要がありました。Photoshop2024(バージョン25.0)では消したい領域を囲むことで、自動的に削除ツールが消したい領域を判断するようになっています。
Photoshop2024(バージョン25.0)のコンテキストタスクバー
コンテキストタスクバーも正式に搭載され、その時々の場面に応じて最適な機能が表示されるようになっています。
特に以下の場面では、コンテキストタスクバーからの利用が便利です。
- 投げなわツールで選択 → 「生成塗りつぶし」がコンテキストタスクバーに表示されます。
投げ縄ツールや長方形選択ツールでで選択範囲を指定するとすぐに生成塗りつぶしが行えます。 - 切り抜きツールを起動 → 「生成拡張」がコンテキストタスクバーに表示されます。
切り抜きツールは起動しただけで生成拡張が表示され、そのまま画角を広げて「生成」をクリックするだけで、AIを用いた画角変更ができます。
コンテキストタスクバーは画像表示の際に邪魔になることもあるので、バーの位置をピン留めして固定したり、バーを非表示にすることもできます。
Photoshop2024(バージョン25.0)のその他の機能強化と変更
プリセットの同期が無効
Photoshop2024(バージョン25.0)でプリセットの同期は廃止され、この機能は動作しなくなっています。
必要に応じてビューを初期化して起動パフォーマンスを向上
読み込み動作が最適化され、起動時のパフォーマンスが向上しています。
新しいカメラとレンズのサポート
Camera Raw機能により新しいカメラとレンズがサポートされました。
サポートするカメラ、サポート対象レンズ参照。
解決された問題
バージョン24で削除ツールが使用できず、Photoshop アプリケーションがクラッシュする問題が解決されました。
必要システム構成
以下はPhotoshop2024(バージョン25.0)におけるWindows / Macの必要システム構成です。
Windows
最小 | 推奨 | |
---|---|---|
CPU | 64ビットをサポートしているIntel®または AMDマルチコアプロセッサー | |
OS | Windows10 64 ビット(バージョン 22H2)以降、LTSCバージョンはサポートされていません | |
RAM | 8 GB | 16 GB 以上 |
グラフィックカード | DirectX12(機能レベル12_0 以降)をサポートしているGPU 1.5GBのGPUメモリ販売開始から7年未満のGPU | DirectX12(機能レベル12_0 以降)をサポートしているGPU 4K以上のディスプレイの場合は4GBのGPUメモリ |
Photoshop グラフィックプロセッサー(GPU)カードに関する FAQ | ||
モニターの解像度 | 1280×800のディスプレイ | 1920×1080以上のディスプレイ |
ハードディスク容量 | 20GBのハードディスク空き領域 | 100GBの使用可能ハードディスク領域 追加の高速ドライブまたはSSD |
macOS
最小 | 推奨 | |
---|---|---|
CPU | 64ビットをサポートしているIntel®またはApple Siliconマルチコアプロセッサー(SSE 4.2以降の2GHz以上のプロセッサー) | ARMベースのApple Silicon M1/M2プロセッサー |
OS | macOS Big Sur(バージョン 11.0)以降 | macOS Big Sur(バージョン13.4) |
RAM | 8GB | 16GB以上 |
グラフィックカード | MetalをサポートしているGPU 1.5GB のGPUメモリ | MetalをサポートしているGPU 4K以上のディスプレイの場合は4GBのGPUメモリ |
Metal に対応している Mac コンピューター Photoshop グラフィックプロセッサー(GPU)カードに関する FAQ | ||
モニターの解像度 | 1280×800のディスプレイ | 1920×1080以上のディスプレイ |
ハードディスク容量 | 20GBのハードディスク空き領域 | 100GBの使用可能ハードディスク領域 追加の高速ドライブまたはSSD |
Photoshop2024(バージョン25.0)のアップデート方法
Adobe Creative Cloudの契約ユーザーなら、Creative Cloud DestopアプリケーションからPhotoshopをアップデートできます。
Photoshop2024(バージョン25.0)のまとめ
Photoshop2024(バージョン25.0)は何と言っても「生成塗りつぶしの正式搭載」が話題を呼んでいます。
正直「生成塗りつぶし」の生成品質自体はまだまだ”Stable Diffusionをカスタムモデルで使用した生成”や”Midjourneyの生成”にはやや劣っています。
しかし「生成塗りつぶし」の商用利用が解禁されたことで、著作権に配慮した生成モデルであるAdobe Fireflyが気軽に利用できるようになった意義は大きいでしょう。
またPCの複雑な設定なしで画像生成AIが利用できるようになったことも、ユーザーにとっては大きいと思います。
この機会にPhotoshopやAdobe Creative Cloudアプリケーションの導入を考えている方は、最も安くサブスクリプション契約できる方法をまとめていますのでぜひご覧ください。
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