撮影された画像を、古い写真のように加工する方法を2回に分けて紹介します。
古い写真の特徴ってどんなもの?
写真が古く見える特徴はどのようなものでしょうか。必ずしも全部当てはまりませんが、下のようなものがあげられると思います。
- ハイライトが黄みを帯びていて真っ白ではない、シャドウは青みや茶色みを帯びていて真っ黒ではない
- 階調が乏しい
- 写真の周りが暗め(ビネットが強め)
- 彩度が低く派手な色がない
- 写真に粒子(ノイズ)が多い
素材画像の準備
それではどう見ても古い写真には見えない、こちらの画像を使ってみたいと思います。
色相・彩度とトーンカーブを使って古い写真の感じを出す
上にあげられた古い写真の特徴のうち
- 彩度が低く派手な色がない
は「色相・彩度」で、
- ハイライトが黄みを帯びていて真っ白ではない、シャドウは青みや茶色みを帯びていて真っ黒ではない
- 階調が乏しい
- 写真の周りが暗め(ビネットが強め)
この3つは「トーンカーブ」でまかなえそうです。
やってみましょう。
まずは「レイヤー」パネルで新規調整レイヤー作成アイコンから「色相・彩度…」を選びます。
プロパティパネルが開くので「彩度」を-40に下げます。これだけでもちょっと古い感じが出ました。
次に再度レイヤーパネルから「トーンカーブ」を作成します。
トーンカーブのプロパティで「ブルー」を選んだらハイライト側は下げ、シャドウ側は上げます。
これにより、
- 画像の白っぽく明るいところには黄味がかかります。(ブルーが減る=イエローが増える)
- 画像の黒っぽく暗いところには青みがかかります。
つぎに同じようにして、「レッド」のシャドウ側も少し上げます。これにより
- 青みがかっていた画像の黒っぽく暗いところに赤みがかかり、紫っぽくなります。
だいぶ古そうな感じは出てきました。
トーンの階調がまだ豊富な気がするので、階調を引き伸ばして、高精細さを削いでいきます。
「RGB」のカーブで下のように調整します。ハイライトを下げつつ、シャドウを上げたのち、滑らかなトーンにコントラストをつけて、あえて階調を減らしています。
トーンカーブで周囲を暗くする
それでは画像の周囲を暗くしていきます。ツールパネルから楕円形選択ツールを選んだら、
Alt(Option)を押しながら画像の中心から外側に向かってドラッグします。下の円のようになればOKです。
そのままの状態で再度トーンカーブを作成します。
暗くするトーンカーブを作ります。
レイヤーマスクをクリックしてCtrl(Command)を押しながらIキーでレイヤーマスクを反転します。
そうすると反転された影響で周囲が暗くなります。
レイヤーマスクを選んだまま、「フィルター」メニューの「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)…」でレイヤーマスクをぼかします。
ぼかし(ガウス)の数値は250ピクセル程度で「OK」をクリックします。
周囲を暗くしたトーンカーブはお好みでレイヤーサイズを変えてください。私の場合110%拡大しました。(レイヤーの拡大のやり方は自由変形の記事へ)
今回のレタッチはここまでです。
まとめ
Part1の仕上がりは下のようになります。
次回Part2ではノイズや表面の汚れを追加していきます。
Photoshopでカラー写真を古い写真のように加工するレタッチ【Part2】
Photoshopのその他のテクニックについてはこちらにまとめています。ぜひご覧ください。
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