Photoshopの画像の変形機能「ゆがみ」について見ていきます。Photoshopには主に下記の4つの変形機能があり、場合によって使い分ける形になります。
ゆがみの機能
指定したレイヤーをブラシでなぞって”ふにゃっ”とした形に変形を行います。また、再構築ツールで変形した一部を元に戻したり、スムーズツールで形を滑らかにしたりできます。
自由変形と違って柔らかく有機的な形に変形するのに適しています。人物の表情やプロポーションの変形に向いています。
ゆがませたいレイヤーをクリックして選んでしたら、「フィルター」メニューから「ゆがみ」を選びます。
下のようなウィンドウが現れて「ゆがみ」を使うことができます。
こちらのウインドウは「ゆがみ」専用のウィンドウなので、右下の「キャンセル」や「OK」を押すまでは元の作業画面には戻れません。
ツール
「ゆがみ」ウィンドウ左側には下のような専用ツールがあります。
前方ワープツール
ゆがみツールのメインツールです。このツールで画像をなぞってなぞった方向に画像を変形させます。
再構築ツール
前方ワープツールで行った変形をもとの形に戻すツールです。なぞった部分だけ戻すことができます。
スムーズツール
再構築ツールと似た動きをするのですが、こちらは歪ませた形を滑らかに加工するツールです。元の形自体は変形の動きに影響しません。メッシュを表示すると動きがわかりやすいです。画像の一部が伸びすぎて画質が危ないときになるべく「ならす」役目があります。
渦ツール
右回転に回転させてゆがませます。Alt(Option)を押しながら使うと左回転になります。
縮小ツール
中心に向かって縮小させます。
膨張ツール
中心から外に拡大させます。
ピクセル移動ツール
上方向になぞると左側に、下方向になぞると右側にピクセルが移動します。Alt(Option)を押しながらなぞるとその左右反対に動きます。(正直使わなくてもいいツールだと思います。)
マスクツール
画像の一部をゆがませたくないときに、マスクして固定することができます。
マスク解除ツール
なぞった部分のマスクを消して解除します。
顔ツール
顔各部の変形をします。目や鼻のところにカーソルを持っていくと変形のハンドルが現れます。
顔ツールは手軽な機能ですが、細かく調整したい場合は普通に前方ワープツールで動かした方が自由度も高く使いやすいです。
手のひらツール
画像の表示部分を動かします。ショートカットのSpaceを押しながらドラッグでも代用できます。
ズームツール
クリックで画像の一部を拡大表示します。Alt(Option)を押しながらクリックで縮小表示します。
ショートカットはCtrl(Command)を押しながら 「+」または「-」です。
Ctrl(Command)とSpaceを押しながら右ドラッグ、左ドラッグでも拡大・縮小表示できます。
ツールオプション
ここからは画面右側のツールオプションの説明です。
属性
ブラシサイズは各ツールのブラシの大きさです。ブラシツールのショートカットと同じショートカットを使えます。
- Mac:ControlとOptionを押しながらドラッグ
- Windows:Ctrlとスペースを押しながらドラッグ
左右ドラッグでサイズ変更、上下ドラッグで筆圧変更です。
ブラシサイズ以外はあまり気にしなくてもいいのですが、
密度はブラシの間隔で低ければブラシのぼけ足が長く、高ければブラシのぼけ足が短くなります。
筆圧は筆圧の強さで、筆圧感知がOFFでも機能します。
割合は再構築ツールとスムーズツールの変化度合と捉えてください。特に気にならなければ変えなくてもOKです。
エッジをピンで留めるは画像の端が動かないように止めることができます。
「エッジをピンで留める」は画像全体の端で機能しますが、レイヤーの端では機能しません。
顔立ちを調整オプション
顔ツールで行う顔の各部の変形を数値で調整できます。
メッシュ読み込みオプション
ゆがみを行った後に「メッシュを保存」しておくと、「メッシュを読み込む」で再度同じ変形を行うことができます。保存したデータは「~.msh」というファイルになり、デスクトップなど好きな保存場所に置いておくことができます。
「最後のメッシュを読み込む」で前回行ったゆがみを再度適用することができます。(Photoshopを終了すると前回の記憶データは消えます。)
マスクオプション
透明部分とマスク部分を足し合わせたり、除いたりできます。
表示オプション
「メッシュを表示」するとどのような変形を行っている確認することができます。
メッシュが伸びすぎているところは画質が悪くなるので、なるべくゆがませた後にチェックするようにするとよいです。伸びすぎたところはスムーズツールや前方ワープツールで調整します。
「追加レイヤーのプレビュー表示」では背景に置いている画像のON/OFFができます。手前に置くか、奥に置くかと透明度も設定できます。
ブラシ再構築オプション
「再構築」ではゆがみを行った度合のパーセンテージを調整できます。
「すべてを復元」はゆがみを全部元に戻します。
ゆがみの確定
思い通りの形になったら「OK」をクリックしてゆがみを確定させます。
まとめ
ゆがみフィルターの機能は理解できたでしょうか。
項目が結構多いですが、ツールは前方ワープツール・再構築ツール・スムーズツールの3つを覚えるだけでも結構思い通りの変形ができると思います。先方ワープツールで強めに動かして、形がいびつになったらスムーズツールで整え、戻したいところは再構築ツールという流れになるかと思います。
ゆがみフィルターに入る前に、別レイヤーで大体の変形したい形を描いておいて、ゆがみフィルターに入ったら「追加レイヤーのプレビュー表示」でラフで描いた形を読みだしてそれに合わせて変形していくとうまくいくと思います。
そのほかの変形機能についてはこちらをご覧ください。
Photoshopの基本的な使い方はこちらにまとめています。初心者の方にもわかりやすいようにまとめていますのでぜひご覧ください。
コメント