【2024年】初心者の独学におすすめ!Photoshop本・Photoshop Elements本

Photoshopでハイパスフィルターを使って印象的な画像を作るレタッチ

Photoshopでハイパスフィルターを使って写真誌のように印象的な画像を作る Photoshopテクニック
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Photoshopのハイパスレタッチの利点

今回はハイパスフィルターを使って左の画像から右のような印象的な感じに仕上げていきます。

Photoshopのハイパス適用例

ハイパスを使った細部の強調・トーンの強調はPhotoshopではおなじみの手法ですが、ただハイパスを適用するだけではアンシャープマスクを使ってシャープにしても結果はほぼ変わりはありません

レイヤーマスクや不透明度を使って”程度のコントロール”ができるという点で、ハイパスを使う意味が出てきます。

ここでは程度のコントロールを重視したハイパスの使い方と、トーンの調整をチュートリアル形式で実践していきます。

画像の準備

Pixabayの画像を使用しました。よろしければダウンロードして同じようにやってみてください。

Photoshopのハイパス適用前

画像は5304×7952ピクセルでやっています。フィルターの数値を揃えたい場合は同じピクセル数で。(Pixabayの無料登録が必要です。)

素材画像のサイズ

ハイパスの効果と調整

画像をPhotoshopで開いたら、まずは「背景」レイヤーをCtrl(command)を押しながらJキー複製します。

Photoshopのレイヤー複製

複製したレイヤー1を右クリックしてスマートオブジェクトに変換します。

Photoshopのスマートオブジェクトに変換

このスマートオブジェクトのレイヤーの描画モードを「ハードライト」にして

Photoshopのレイヤー描画モードハードライト

フィルター」メニューの「その他」から「ハイパス」フィルタを選びます。

ハイパスの数値は画像の大きさによってかかり具合の見た目が変わります。

Photoshopのハイパスフィルター

半径は20ピクセルに設定します。「OK」でハイパスフィルターが適用されます。

Photoshopのハイパスフィルター20pixels

これにより全体が少しシャープになります。

Photoshopのハイパス適用前後比較

ハイパスは画像の輪郭を検出して、輪郭以外のところは50%グレー、輪郭の近辺は明度の差を強調するフィルターです。
Photoshopのハイパスの概念図
ハイパスレイヤーにレイヤーの描画モード「オーバーレイ」・「ハードライト」・「ソフトライト」などを適用することで、グレーの部分は透かしつつ、輪郭部分だけ強調するような効果が得られます。
レイヤーの描画モードの記事も参考にしてください。

ハイパスの程度調整

さらに、このスマートオブジェクトのレイヤーをショートカットのCtrl(command)を押しながらJで複製して、さらに広い範囲にシャープをきかせていきます。

Photoshopのスマートオブジェクトの複製

複製した方のスマートオブジェクトのハイパスフィルタを調整します。

スマートフィルターをダブルクリックして、ハイパスフィルターを編集します。

Photoshopのハイパスフィルターをダブルクリック

ハイパスを100pixelに変更します。

Photoshopのハイパスフィルター100pixels

ハイパスの数値を大きくすることで、さっきより広めの範囲にシャープネスがかかります。

次にこのレイヤーだけ、レイヤーの描画モードを「ハードライト」から「オーバーレイ」に変えます。

これをすることでシャープにする効果が「ハードライト」より少しソフトになります。

不透明度も60%に落としさらに弱くします

Photoshopのレイヤーの描画モードオーバーレイ60%

トーンカーブでの明暗調整

新規調整レイヤーの「トーンカーブ…」で少し暗くなるカーブを作ります。

Photoshopの新規調整レイヤートーンカーブ

カーブはこんな感じ。

Photoshopのトーンカーブ例

トーンカーブのレイヤーマスクをクリックで選び、Ctrl(command)を押しながらIで反転して一旦真っ黒にします。

Photoshopのレイヤーマスクの反転

レイヤーマスクを選んだままブラシツールで影になりそうなところを、レイヤーマスク上で白く描いて陰影を強調します。ここは大体でいいです。

このあたり。

シャドウを利かす部分

マスクはこんな感じに。

Photoshopのレイヤーマスクの例

再度、新規調整レイヤーのトーンカーブをもう一つ作って、今度は少し明るくするカーブにします。

カーブはこんな感じ。

Photoshopのトーンカーブ例

またこちらもレイヤーマスクをCtrl(command)を押しながらIで真っ黒にします。

Photoshopのレイヤーマスクの反転

今度はブラシツールで光が当たっている部分を強調して明るくします。ここも大体でいいです。

このあたり。

反射光を利かす部分

マスクはこんな感じに。

Photoshopのレイヤーマスクの例

ここまでで画像はこんな感じです。顔のトーンが強調されてほんの少し重厚感が出ます。

Photoshopのハイパスを利かせた例

ハイライトのマスク作成とハイライトの強調

次は顔のハイライトを強調するための、ハイライトのマスクを作っていきます。

まずは、チャンネルパネルで一番陰影が出ているチャンネルを選びます。

「ブルー」チャンネルが一番コントラストが出ているので、「ブルー」の横のアイコンをCtrl(Command)を押しながらクリックして選択範囲を作ります。

チャンネルを使った選択範囲の作成の記事を参考にするとより理解が深まります。

Photoshopのチャンネルから選択範囲を作成

選択範囲はそのままで調整レイヤーのトーンカーブを作って、レイヤーマスク付きのトーンカーブを作ります。

選択範囲がある状態で「新規調整レイヤー」を作ると、自動的にその選択範囲のレイヤーマスクが作られます。

Photoshopの選択範囲をレイヤーマスクにして調整レイヤー作成

レイヤーパレットのレイヤーマスクをAlt(option)を押しながらクリックして、レイヤーマスク表示にします。

Photoshopのレイヤーマスク表示

画面の画像表示はこのようになります。

Photoshopのレイヤーマスク

このまま、このレイヤーマスクに対してCtrl(command)を押しながらMを押して、トーンカーブで調整します。

レイヤーマスクに対しては調整レイヤーを使えないので、直接トーンカーブをかけます。

ハイライトのマスクを作りたいので、シャドウをつぶしめでトーンを調整します。

カーブはこんな感じ。

Photoshopのレイヤーマスクにトーンカーブを適用

調整が出来たらOKで確定させた後、レイヤーパレットでレイヤーマスクをAlt(option)を押しながらクリックで、通常表示に戻します。

Photoshopのレイヤーマスク表示から通常表示に戻す

特定色域の選択で色調整

次に、調整レイヤーの「特定色域の選択」で、肌の色の生々しさや服の色を調整します。

設定値はお好みでいいです。見た目で好きな色に調整してください。ここでは下のように調整しました。

Photoshopの特定色域の選択例

特定色域の選択の結果はこんな感じ。

Photoshopの特定色域の選択の結果

トーンカーブで全体のトーン調整

最後に黒をぐっとひきしめつつ、肌のトーンも少し強調したいので、新規調整レイヤーの「トーンカーブ」を作ってシャドウをしめつつ中間調を少し暗くします。

カーブはこんな感じ。

Photoshopのトーンカーブ例

トーンカーブの適用結果です。

Photoshopのトーンカーブ適用結果

これで出来上がりです。

まとめ

最初にも書きましたが、画像をシャープにするところは、「アンシャープマスク」フィルターを使ってシャープにしたり、「Camera Rawフィルター」のテクスチャ・明瞭度などを使っても、仕上がりはあまり変わりません。ハイパスにこだわる必要はないです。

今回はハイパスを使ったシャープネス調整ということで、あえてハイパスにこだわった制作をしてみました。

私は言葉にちょっと馴染みがなかったんですが、twitter等を見ていると画像の「空間周波数」という言葉で表現されている方もおられるようです。

意味的には輪郭検出と部分的な明度コントラストの上げ下げなので、今回やった作業と同じものです。

ポートレイトの「生々しさ、暑苦しい感じ、硬い感じの表現」に適していると思います。スポーツ写真誌ではよく使われる表現ですね。

Photoshopのハイパス適用例

アンシャープマスクやCamera Rawフィルターと違ってハイパスの方がレイヤーを分けている分、レイヤーマスクやレイヤーの不透明度で、見た目の細かいところを調整しやすいというメリットがあります。

手数が多くなってしまうことはデメリットですね。

状況に応じて使い分けるといいと思います。

Photoshopのその他のテクニックについてはこちらにまとめています。ぜひご覧ください。

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